第3章 火照るりんごの見る夢は。
――……
――……
烏野高校に入学して、もう1年になる。そんな私がなぜ、彼と出逢ったのか。
それは、入学式当日。
彼が、私が偶然落としたあるアーティストのCDを拾ってくれたのだった。
――見下ろされた時は少し怖いなと思ったりしたけど、声色からはそんな印象はなかった。
……現に、落し物拾って声かけてくれるぐらいの人だもん。
優しい人、なんだろうな……
と最初はそう思っていたけれど。
てっきり同級生か先輩だと思っていたのに。
その子が『新入生』の席にいたんだから、驚かないわけがない。
まさかの後輩なんだもんな〜……