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月島蛍くんの思うところ。

第1章 君ノ背中。[☆]








――……
――……


翌日。
彼女はまた当たり前のように僕の教室にやってくる。




『月島くん!!ちょっといいかな?』


「……なに?」



彼女の手元をふと見ると、数学の教科書とノートを持っていた。
こうなると、この先は大概想像できる。



『数学……教えてもらえないかなと思って』




……やっぱりそうなる。

だけど、昨日のはちみつレモンのお礼はしといた方がいいかな、なんて良心が働いた。



「はちみつレモンのお礼ってことで、いいなら」


『ほ、ほんと!!?』



僕の一言に、彼女はキラキラと目を輝かせる。そして、パラパラと教科書のページをめくった。

高校1年の数学なんて、公式覚えて何問か解けば頭に入るし、定期的に勉強している僕にとっては簡単に解ける内容のものだった。




「これ、公式のまんまだよ。Bの公式当てはめて解いたら答え出るから」


『そ、そうなんだっ!え、っと……てことは、a=……』








「違う。こう」







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