• テキストサイズ

この恋、期間限定。

第1章 告白。


くしゃみを一つして、空を仰ぐ。
真上の桜の木は蕾がちらほら見えるぐらいで、私の天敵はその隣の杉だった。

「くしゅんっ」
うう、鼻水出してる場合じゃない。

今日は3年生の卒業式。
先輩の、学ラン姿が見れる最後の日。

私がずっと片思いしてきた水瀬リュウセイ先輩は、イケメンで人気者で、遊び人と噂の人。
相手にされないのは分かってるけど、想いだけは伝えたい。

卒業生と在校生に次々に声をかけられ常に輪の中心にいる先輩。斜めに流した髪が風になびいて、長身が際立つ。
学ランのボタンはすでに、ひとつ残らず無くなっていた。

やきもきしながら先輩を目で追っていると、強く吹いた風に髪が煽られる。腰まで伸ばしたストレート。
先輩に振られたら……切ろうかな。

そんなこと考えている場合じゃない。
先輩が一人になった。今がチャンス‼

「水瀬先輩」

「ん?……君、誰?」
トイレの前で待ち伏せして、やっと先輩を捕まえた。
/ 11ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp