第6章 不可解なこと…
「ひ、姫様が!?」
優花は、顔色真っ青にさせていた。高尾の話を聞けば、今は桃井が面倒を見ているらしい。光瑠は、複雑そうな表情をしては、そうか…と短く返事をする。
返事をしたかと思えば、ゆっくりと身体が傾きその場で柚姫と同じように倒れる光瑠。その直前で受け止める緑間。
「しっかりするのだよ!」
「光瑠様!光瑠様!」
「くそっ!高尾、賢次さんを呼んでこい!!急げ!」
「へっ!?あ、分かりました!」
咄嗟の笠松の指示で、高尾は一瞬だけ戸惑っていたが、すぐに従っては書類室から出て行く。これは、一大事だった。同時に、倒れるというのは、前代未聞だった。
緑間が、光瑠の部屋まで運んでいく。高尾は、城の外にいる賢次に向かって走っていたが、エントランスに入った瞬間、扉が開かれた。
其処には、突然変異と戦った賢次と洸汰の姿があった。全身、赤く染まっていた。賢次は、状況を感じ取ったのか高尾に質問をする。
「どうかしたんですか?」
「えっと、かなりヤバい状況なんすけど、柚姫ちゃんと光瑠さんが倒れたんすよ…。」
「!?」
高尾の言葉に、賢次と洸汰の顔色が一気に変わった。特に洸汰がかなり焦っているようにも見えた。それでも賢次は、冷静さを失わず洸汰や高尾に告げる。
「分かりました。洸汰は、とりあえず体を洗って下さい。高尾様は、リビングに皆様を集めて下さい。そこで、事情を聞きます。」