第3章 安否
同じように賢次も、地面に寝っ転がり瞳を閉じる。よほど、2人はとても疲れているとよく分かる。
「大変な時に来たな…。」
笠松がそんな事を言いながら、寝っ転がる。そう黒子達が来たタイミングが良いのか悪いのかがよく分からないのだ。
「でも来て正解だと、私は思うよ。」
桃井は、どこか寂しそうな顔をしていたが彼らと再会できた事に喜びを感じてはいた。
「ねぇ~、もう休もうよ~。疲れちゃった~。」
「そうだな、敦の言った通りに俺も疲れたな。今日は、もう休まないか?」
紫原の一言で、皆は笑っていたが氷室も言った通りに、皆は今日この辺で寝る事になった。
やがて、黒子達は賢次と洸汰と行動すること数日…。目的地に着く。だが、そこである物を見てしまった。
「こ、これは…。」
賢次でさえ言葉を失う。それは、前まで住んでいた城が立派に建っていたのだ。
「馬鹿な、一週間前にあの激しい戦いがあったんだぞ?!城もボロボロ状態だったのに、どうやって?!」
そう洸汰の言った通りだ。黒子達にとっては数ヶ月前の話だが時の流れによって違い、こっちは一週間前の話だ。
城は、本来一週間で直せる物でもない。しかし、その常識を超えて直してしまったのだ。しかも、誰が直したかも不明である。
そんな事を思いながらも歩き始める。すると、目の前に偶然なのか右腕のない…男子。その姿は…光瑠にとても似ている。
賢次は、まさか…と思いながらも光瑠らしき人に声を掛ける。
「すみませんが、貴方は……もしかして………。」
賢次の声が聞こえたのかその人…光瑠らしき人が振り向く。