第31章 夏休み最後の時間
ケイト「そんな風に当たって
傷付けて…誰が喜ぶんだよ。
そんな事をされたら…
だれもが、痛い。
誰もが苦しい。
そんな思いを味あわせて
その思いをさせた奴らを責められるかよ。
でも、責めるために耐えるんじゃない!
傷付けることを
殺すことを選ばないといけないほど
いっぱいいっぱいだって言うのは、もう解ってる。
だけどな…
お前のために…
両方共に、辛い思いを…
苦しむ奴がいるってことを…
忘れるなよっ…;」
「…;(ジワッ」
その涙と共に放たれた言葉に
思わず、涙を浮かべた…
ケイト「…
そんな風に想ってくれる奴は…
確かにいたはずだろ!
たとえいなくても、ここにいる!
だから…
だからっ…
一緒に生きろよ(涙」
辛そうな顔をしながら
涙を流し、その男を抱き締めるケイト…
それに対し…
男は、思い浮かべていた…
自身を預かってくれた
受け入れてくれた、大切な義理の父母がいることを…
「何言ってやがる!
受け入れてくれるわけっ;」
ケイト「そんなもん、行かなきゃわかるか!!
言われないで、解るわけないだろ。
人は皆、抱えてあるもんがある。
それを伝えるために!
言葉があるんだろ?」
次々に溢れ出ていく涙…
ケイト「行動だけじゃ、伝わらないものがある。
それは、何に
その行動をかけているかだ。
私は…
私は、お前に
これ以上、傷付いて欲しくない。
さっき衝撃波で殴った…
でも、それは…
お前を、傷をつけずに
力の無駄遣いを抑えさせるためだ…
お前に、これ以上
自分で自分を、傷付けて欲しくないからだ…
だから頼む…
お前の為なんだ」
抱き締める
「俺の…為を考えて…
そんな奴…
父さんと母さん以外、誰もっ…;」
その中、震えながら…
涙と共に、顔を歪めた…
ケイト「大丈夫…
だから、もう抱え込まないでぶつけて…」
そうして…
その男は、帰っていく…
その帰りを、今も待ち続けている
義理の父母の下へ…
その後、手紙が届いた…
義理の父母と共に笑う
その12歳の男…
如月(きさらぎ)という名の、男の写真と共に…