第4章 田中恵土(たなかケイト)
雷が鳴り響く中…
降った雨が窓を叩く中…
カルマは、ケイトを抱き締めた。
ケイト「!!(目を見開く」
カルマ「だったら…
ただ、いえばよかったんだよ。
それだけでも、救われる…
その抱えている闇だけでも…
一緒に乗り越えればよかったんだ…
アメリカでのクラスメイトに
嫌なことを思い出させないようにしてもらって
向き合うべき傷や問題から逃げ続けるよりも…
後で思い出して
思い悩んで、自分を殺そうとするよりも…
あんたを含んで幸せにならなきゃ
誰も、本気で幸せになんてできない…
それは、ケイトが望んだことじゃないよね?
だったらさ…
俺にぶつけろよ
俺は、ケイトが味わってきた目だとか
そんなのは細かくも知らないし、解らない。
でもさ…
絶対に、ケイトをいじめ続けたあいつらみたいに
拒否したり、傷付けたりなんかは絶対しない。
引っ叩いたのは謝らないよ。
そうじゃなきゃ…解らないでしょ?
あんたが不幸になるのを、俺が喜ばないこと。
それぐらい、あんたが不幸になるのが嫌ってこと。
俺が…どれだけケイトを想ってるかも…
だから…
泣きたいなら泣いてもいい」
ケイト「っ;(涙」
カルマ「叫びたいなら叫べばいい。
無理に堪えて、我慢し続ける必要なんてない。
少なくとも俺は…
それを見て、笑ったりけなしたりなんかしないからさ…
だから…
好きなだけ泣いたらいい…
それから…
いつもの、あの眩しくて明るい笑顔を見せてよ…
あんな温かい笑顔を作り出せるのは…
俺が今まで会ってきた中で、ケイトだけだからさ…
だから…
それを護りたいと思った…
だから…
今、こうやっている…
俺の言いたいこと…解る?」
ケイト「うっ;ひっく;あっ;」
カルマの腕の中で
しゃっくりをあげながら、何度も頷くケイト。
カルマ「ははっ^^泣き過ぎ(苦笑」
それにカルマは…
笑いながら、その頭を右手で撫で
その光景に、周りは…泣いていた…