第25章 南の島の時間
泊まってから次の日
皆は、流石に親などのことから
ケイトの家から去り、帰って行った…
だが…
茅野「…(うつむく」
一人だけ、帰ろうとしない人がいた…
ケイト「どうしたの?カエデ」
茅野「…どうしよう…
やっぱり、言いたい…
前の時、言い損ねた事実…
全部、ケイトちゃん『には』言いたい…)
…ケイトちゃん…聴いてくれない?」
ケイト「ん?どうした?」
茅野「私…
実は、ずっと隠し続けてることがあるの」
ケイト「…そっか」
茅野「…私ね…
実は、あの古墳の時…過去を見せられて…」
ケイト「うん。
私も、見せられたね」
茅野「…血にまみれた死体って…
どんな、感じだったの?…冷たくなかった…?」
声を詰まらせながら言う…
そんな茅野に対し、ケイトは言った
ケイト「…私はあの時、家に走って帰った…
祖父母が死んで帰ってきたって知らせを、学校で聞いて…
けれど…
その玄関にいたのは…
じっちゃんとばっちゃんの血にまみれた死骸だった…
無残に切り裂かれ、骨も所々抜かれてて…
見るに、耐えられないほどに…
それでも、目をそらすことなんて出来なかった…
数十分…
ずっと、その前にいたんだ…
そうして、家の奥から出てきたのが…
その病院での実験をしていた人だった…
私に、あぁ伝えたのは…
その人だったんだ…
で…私に襲い掛かって来て…
怒りで、頭の中が真っ赤になって…
気が付いたら…
気を失わせていた…傷もないように
でもって、後は知っての通り…
その人は逮捕された…
でも…今も、脳裏によぎる…
悪夢として、出てくることもある…
両親も祖父母も纏めて血みどろになって…
その真ん前に自分がいて…
それでも何も出来なくて…
ずっと…
自分を責めるばかりだった…」
茅野「…私もだよ…
私も、あの時…(拳握る」
そう、言い出す茅野の顔は…険しかった…