第22章 期末の時間
ケイト「あの…;」
浅野&カルマ『何?』
言葉が重なった直後、再び睨み合う二人は…
火花を散らしていた…
ケイト「私は…
ここに来れて、良かったと思ってるよ。
そりゃ、A組だったから
特進クラスだったから…色々と大変で。
それでも、充実した時があって…
満ち足りた時があって…
嫌なことばっかが、頭にしこりを残してた…
それでも、それだけじゃなくってさ…
それら全部があるから、今があるってのも解ってる…
そんでも…
やっと、ここまで来れたんだ…
E組の皆と出会えて、悪夢にも立ち向かえて…
何があっても、大丈夫だって『勇気』をもらった。
『愛』を…
『想い』をもらった…
掛け替えのない
その時しかない、大事なものを…
だから私は、E組を抜けない。
堂々と、胸を張って卒業したい。
E組だから
私は今、ここに居るって…
私は
椚ヶ丘中学校、3年E組の卒業生だってさ(微笑」
そう、堂々と胸を張って言うケイトに対し…
浅野「…っ(ぎりっ」
浅野は歯ぎしりしながら、うつむいていた…
その脳裏には…
10年前、旧校舎の裏山以外の土地を
浅野の親=理事長が、学校として貸してもらうことを提案し
ケイトの親が、それを了承した時。
初めて、ケイトと出会った時のことだった…
ケイト「ね、一緒に遊ぼう^^」
そう、手を差し伸べるケイトの顔は…
とても明るく、眩しく、温かく…
まるで…太陽だと、太陽の中の太陽でもなく
太陽自体の太陽ではないかと…
そう、思わされた…
浅野「僕は…
君の過去を知っている…
その力のことも…
それでも、僕は…
君のことを、大事な…
必要な、掛け替えのない人だと思っている。
戻って来たくないのなら、それでもいい。
僕が必ず、取り戻してみせる。この手で!」
そう言い、立ち去る浅野を見ながら…
ケイト「…学秀…」
そう呟くケイトの声は…
少しだけ、その場に響いた…