第11章 転校生の時間
三人『…;』
無言で、汗と共に見る三人。
カルマ「かといって、あれもどうなの?いい大人が」
律「ハワイから東京まで泣きっぱなしです…」
渚「今日はありがと!殺せんせー」
カルマ「さようなら」
別れの挨拶をする二人に対し
殺せんせー「はい、さようなら。
夜道ですので気を付けて。
あと、明日までに
映画の感想を英語で書いて提出しなさい」
すぐ泣き止んで、そういう殺せんせー。
渚「えぇ!?宿題出るんだ…」
殺せんせー「ただでハワイに行けたんだから、
安いもんです」
カルマ「ほらケイト、帰るよ」
ケイト「うっ;ひっく;」
そうケイトの右手を取りながら、
泣きじゃくるケイトを引っ張るカルマ。
その帰り道。
ため息をつく渚
カルマ「どうしたの、渚くん」
渚「人生初の体験だよ。
5時間の間に授業受けながらハワイ行って、
映画を見て帰ってくるの」
カルマ「そりゃあねぇ…」
律「しかも、
殺せんせーは三人の身体に負担をかけないよう、
細心の注意を払っていました。
風圧や塵などを
触手を駆使して、避けていたのを確認できました」
渚「今日のが、殺せんせーがいつも見ている景色なんだね」
カルマ「うん…」
渚「知れば知るほど、
先生の命が、視界から遠のいていく気がするよ」
ケイト「ピクッ)…」
カルマ「どうかしたの?ケイト」
律「今、殺せんせーが飛んでいきましたね」
渚「何か気になることでもあったの?」
ケイト「…強い、っていうか…
なんか、いるんだ…
いつもならいない、何かが…」
カルマ「あー。山の中で、ずっといたから
山の感覚まで染みついてるの?」
ケイト「…さあ…よくは解らないけど…
まぁいいか。深く考えないようにしよう。
今日のご飯、焼きそばでも食べようか」
カルマ「いいねぇ」
渚「ケイトちゃんの作るご飯っておいしいよね(微笑」
カルマ「良かったら
帰り道だし、寄ってけば?」
渚「え?いいの?」
ケイト「いいよ^^」
そう立ち去る中…
二つの人影が、山に残ったままだった…