第10章 修学旅行の時間
時を同じくして…
違う場所で、月を見ながら話し合う二人…
ケイト「え!?
怖がって震えてたカルマを抱き締めて?」
カルマ「うん。
ケイトがさ…
笑いかけながら、震える俺をそっとね」
ケイト「…そっか…確かにやりそうだな」
カルマ「そうそう。
その証拠に確か…
ここに傷があったはず。っと、あった(微笑」
いきなりケイトの左腕の裾をめくり
左前腕部の、肘から手のちょうど中間に
切り傷のあとがあることを確認するカルマ。
ケイト「?この傷がどうかしたの?」
カルマ「ほら。
俺を助けた時、猪を蹴った後で着地して
木の枝に引っかかって、切り傷になってた。
その時、気付いてなかったみたいだったけど…
その血を見て、迫り狂う猪を思い出しちゃってさ^^;
で…
思わず泣き出して、震えていた俺を…
ケイト「大丈夫だよ^^
猪はもういない。
いたとしても、また私が護るよ^^
だから…泣かないで(微笑」
そう笑いながら、優しく背を撫でてくれた…
思い出したのは…
実は…
俺を助けようと、
ケイトが崖から降りてきた時だったんだ…
あれを見て…
あの時、差し出された左手を見て…
左腕の傷を見て…
はっきりと思い出して、笑ったんだ(微笑」
ケイト「ごめん…忘れてて」
眉間に皺を寄せながら謝るケイト…
カルマ「何で謝んの?(苦笑)
俺は、感謝してるんだよ?(微笑」
その頭を、そっと撫でるカルマ…
ケイト「でも…
そんな大事なこと、忘れちゃって…」
未だ、皺を寄せたままのケイトに
軽く溜息をつきながら
カルマ「そんな風に言わなくていいんだよ。
おかげで、俺は今ここにいるんだからさ(微笑」
ケイトの額へ、軽く自分の額をつけ
微笑みかける、カルマ…
それに…頬を赤く染めながら
目を閉じ、唇を差し出すような体制をとるケイト。
カルマ「!!//」
それに思わず、周囲を確認してから…
ドキドキという音と共に…
そっと…抱き締め合いながら
月明かりの下で、
唇を再び、重ね合わせるのでした…