第1章 幼馴染
「早く付き合っちゃえばいいのにぃ」
瑠実が焦らすようにいう。
空はぐっと唇を噛んだ。
「だって、私に言ったって
駿がどうかはわからないでしょ!!?」
皆さんはお気づきであろうが、
そう。空は駿のことが好きなのだ。
「どうかって…どう見たってあんたら恋人だろ!!」
瑠実が指を差す方には、
駿がぐっすりと眠っていた。
しかも、空の太ももの上で。
「ええええ!!!?」
空は驚いたように瑠実に反発する。
「どっからどうみたら恋人に見えなくなるのよ!!
男子が膝枕で寝てるって明らかに
好きな奴にしかやんないことでしょおお!!!」
瑠実が叫ぶと同時に、もっていた
箸がパキッと折れた。
「あ。」
「あ。」
「あ・・・。」
それから少しの間、空達は放心していた。