第5章 happyendは望めない
「!?っ」
駿だった。
「空がそんなこと思ってたなんて…
気づかなかった…っ まじごめん!!!」
駿は空をキツく抱きしめながら、
大声で謝ってくる。
空は状況が理解できずに唖然していた。
「…へ?」
やがて、駿はすっと空から顔を離す。
「実を言うと…俺もお前のこと好きだったんだ。」
顔をほんのり赤く染めながら、
駿は真っ直ぐ空の目を見て話し始める。
「だけど、お前はか、可愛いしっ
きっと誰か他に好きな奴でもいるのかなって…」
信じられなかった。
駿が、まさかそんなことを思っていたなんて。
「ずっと告白しようと思ってたのに、
全くできなくってっ、それでっ
咲輝のことを好きになっちゃったなんてさっ…」
駿は、だんだんと涙声になってくる。
「そんな俺って…っ
メッチャ…ズルいよな…。」
「違う!!!!!!」
「!!!?」
駿は、驚いて空を見た。
空は、駿を見つめながら静かに涙を流していた。