第5章 happyendは望めない
「あっ…」
空はその時、
どうして駿があんな怖い顔をしたのかが分かった。
腕の 傷 だ。
駿はじっと腕の包帯を見つめると、
ぐっと下唇を噛みながら空を見る。
「なんだよこれっ!!空っ!!!」
駿は、怒り任せに空を怒鳴りつけた。
空はビクっと肩を震わす。
「最近元気がないから
どうしたのか心配になってたんだ…
それがこれかよ…っ
なあ、空。 なにがあったんだよ…?」
悔しそうな顔を浮かべた駿は、
若干鳴き声混じりの声で空に問いかける。
その質問をされたとき、
空は駿よりもさらに悔しい表情を浮かべた。
「だって…だって…だってだってっ!!!!」
空は、答えを言う前に
その場にまた泣き崩れてしまった。
駿は驚いた目をしたまま、
泣いている空を見つめる。
やがて、自分もそっとしゃがみこんだ。