第1章 幼馴染
「駿!もう学校行く時間だよ!ほらっ」
空は慌てて駿の体を揺さぶる。
すると、駿は「んぁ…」と顔をしかめた。
「…もう少し…あと少し…ん…ぁ…」
駿は目を再度瞑ってそうこたえる。
空はその顔にクラっときてしまったが、
そうはいかない!と思いっきり頬をつねった。
「!!!ひあいひあい(いたいいたい)!!」
駿は驚いた後、すぐに両手をバタバタさせた。
空がその手を離すと、駿は頬をさすっていた。
「しゅーん?学校遅れてもいいのかなぁ?」
「ったく、行けばいいんだろ行けば!!
あーあ、せっかく気持ちよく寝れてたのに。」
その何気ない言葉に空は顔を赤くした。
自分の肩で寝るとそんなに気持ちよく寝れるのか。
なぜかわからないが、少しだけ嬉しくなった。
駿は立ち止まっていた空を不思議そうに見る。
「空、遅刻すんだろ?行くぞ。」
「あ、うん!」
空は急いで駿の横に駆け寄った。