第1章 幼馴染
その約束は、ちゃんと守られてるよ。
隣で寝ている駿をみながら、空は思った。
乙川 空(おとかわ そら)
17歳の高校二年生。
現在、駿の家で空は朝食をご馳走になっていた。
ところが、食べ終わったところで駿が
寝てしまい、彼は空の肩に頭をのせて熟睡中。
顔を近づけてみると、
とても幸せそうな顔をして寝息をたてている。
空はそんな駿をみて、無償に彼が恋しくなった。
駿――――――綾秦 駿(あやはた しゅん)
空と同じく17歳で高校二年生。
空とは幼馴染であり、いつもこうして二人で
ご飯を食べることが多い。
二人共親と離れひとり暮らし。
といっても、お隣さんで
しょっちゅうどちらかの家を
行き来したりしているので、
二人で暮らしているようにも世間からは見えるだろう。
空は毎朝のこの時間が大好きだ。
とても可愛い駿の寝顔を一番近くで見れるのだから。
空は嬉しく思いながら時計を確認する。
すると、もうすぐ
学校に行かなきゃいけない時刻だった。