第4章 もう届かない
「―――――ちゃんっ 空ちゃんっ!!!」
「っ!!」
空は目を開ける。
目の前にいるのは、幼い少年だった。
あ…
駿だ…
その少年は
幼い頃の駿だった。
もしかして…あの時に戻ったの…?
空は自分の手を見つめる。
まだ丸っこく、フニフニとしていて白い。
間違いなく、自分も幼い頃に戻っていた。
「空ちゃん、どうしたの?」
幼い駿が、心配そうに空を見つめる。
「…駿。」
空は 駿を見るなりゆっくりと立ち上がる
「っ!どうしたの…?空ちゃん…?」
幼い頃の空の瞳は
『未来を変えたいなら変えればいい』
と強く語ってきた。
今、それを実行するためにこの頃へ戻されたのだ
『だけど それがあなたに
とっての幸せなのかは 私にわからない』
最後に、幼い空はそう言っていたような気がする。