第4章 もう届かない
「っあなたは誰っ?」
空が問いかけても
少女は悲しい顔をしたまま、何も喋らない
「…違う…」
空は 気づいた
「…私…?」
目の前にいたのは
まだ幼い頃の自分の姿だった
幼い私は 何も喋らない
「…もしかして 約束 のこと?」
少女は頷いた
「ごめんね…あの約束…守れなかったの。」
『 開けて 』
「っ!??」
突然少女は喋りだした
手には 先程まで持っていなかったのに
しっかりと何か小さな箱が抱き抱えられていた
「…開けるの…?」
少女は頷く
その瞳は 何かを強く語ってくるようだった
空は恐る恐る箱を受け取り
勢いよく 開けた