• テキストサイズ

happyendは望めない

第4章 もう届かない




小さな小鳥の声と
明るい外に気づき、空は目を開ける。


「…朝…?」


支度をしなくてはと起き上がる。
その時、右腕に鋭い痛みを感じた。

驚いて右腕を見つめる。


「あ…。」


そのカッターで傷つけられた沢山の傷を
見たとき、空は昨日あった
出来事が頭の中で鮮明に思い出された。


「…。」


空はその傷を睨むように見つめる。


「あ…。」


その時、空はあることが浮かんだ。



この傷…駿に見られたらどうしよう…



駿がこの傷を見たとき、
とても心配させてしまうのではないだろうか。

空はそんなことを思い不安になった。


だが、そのあとすぐに、
その不安は楽しみへと変わっていった。


もしかしたら…駿が心配して
私とまた一緒にいてくれるかも知れない。


自分の考えが狂っているのはわかっている。

だけど、どうしても彼のことが諦められないのだ。



空は、傷のついた部分を手当した後、
真っ白な包帯を巻いて、家をでた。


「あ…ご飯食べるの忘れてた…。」


空はふと気づいたが、
まあ、いいか。とそのまま学校へと足を進めた。


/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp