第3章 私はジュリエット
「…何してんだろ…。」
空は深呼吸をして落ち着くと、
ゆっくり立ち上がった。
もう、二人は帰っただろうか。
「…駿にご飯つくんないと。」
空は、道においていたかばんをもち、
駿の家へ向かった。
数分駆け足で走り、駿の家の前につく。
少し息が荒れてしまった。
呼吸を整え、インターホンを押す。
きっと、「おそいぞぉ」なんて
まぬけな言い方をして出てくるんだろう。
だが、いくら待っても
誰かが来る気配などない。
まだ、帰ってきてないのだろうか。
その時、空の携帯がなった。
空は慌ててすぐに携帯をとる。
「もしもし?」
「おお!空か?」
「!!駿!!?」
電話に出たのは、明るい声をだす駿だった。
「何処にいるの?駿っ」
空は急いでそれを聞き出す。
すると、駿は一旦くしゃみをしてから
「実は今、合コンいるんだよ!!」
と言った。
「合コン!!!!!!!?」
空はその時はっとする。
ああ、そうだ。確か今朝、
駿は合コンに誘われていたのだった。
断るつもりでいたけど、咲輝がいると
いうから行ったのだろう。
空は、悲しくなった。
「じゃあ…ご飯は大丈夫だね。」
「ああ!それと、もう明日からは
朝ごはんとか弁当とか作ってくれなくていいぞ!!」
「え?」
空は駿の言葉に目を見開く。
「実はなぁ、姫唄が明日から
弁当作ってくれるらしいんだ!!
空も毎日つくんの疲れんだろう?
もう大丈夫だぜ?ありがとな!!!」
その言葉を聞き、駿がフニャっと
笑っている姿が目に浮かんだ。