第3章 私はジュリエット
「どうして…どうしてっぇ…!!」
空は、 その場に泣き崩れた。
ずっと、一緒にいられると思っていたのに。
ずっと、隣にいられると思っていたのに。
そんな願いは叶わなかった。
――――――――駿と私は物語のヒロインなの。
――――――――え?
――――――――この前、お母さんに絵本を読んでもらったの。
―――――――その物語にはね、ロミオとジュリエットって
いう、二人のヒロインがいるんだよ!!
―――――――ロミオとジュリエット?
―――――――うん。なんか本当は恋をしちゃいけない
二人なんだけど、恋をするの。
―――――――ええ!!怒られちゃわない?
――――――そう!私もそう思ったの。でもね、
その二人は、永遠に一緒にいたいから、
ある日、二人でにげることにしたんだって。
――――――どこに?
――――――遠いどこかに。それで、二人は
誰にも縛られずに幸せに暮らしたんだって!
「まるで、私達みたいだね…。」
空は、涙を流しながら、あの日のことを
思い出し、笑っていた。
駿はロミオ 空はジュリエット
二人が恋におちなきゃ物語は終わらない。
でも、ロミオが恋におちたのは
努力をして綺麗になった シンデレラだった。