• テキストサイズ

happyendは望めない

第3章 私はジュリエット




帰り道でも、二人は空のことなど
いないかのように話に花を咲かせていた。


駿は自分の趣味や面白い話などを
淡々と咲輝にやや早口で語りかける。


その話を聞いて、手を口元にあて、
「フフッ」と上品で可愛げに笑う咲輝。


駿はその笑顔をみてさらに嬉しくなったみたいだった。




―――――――――どうして…?



空は一旦立ち止まった。





―――――――――どうして駿は咲輝を好きになったの?




二人はそのまま遠ざかっていく。

空は、足を進める気にはなれなかった。



――――――――どうして・・・



空はまた胸が締め付けられる。
さっきより何倍も苦しいものだった。


咲輝は誰に恋をしてもいい。

駿にだって、幸せになってもらいたい。


だけど…だけど…



私の恋は、こんな簡単に崩れてしまうものだったの?




神様、どうして…



「どうして…私達の約束を破らせたの…?」



あの日の約束。

それは今朝までずっと守られていた。


なのに。なのに…。


こんな簡単に





壊されてしまうものだったの・・・・?


/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp