• テキストサイズ

happyendは望めない

第3章 私はジュリエット




帰りの時間。


空は席をたって駿に「帰ろう」と言った。

ところが、いつものように、
あのフニャっとした笑顔で

「おお、帰るか。」

と当たり前のようにいう彼の姿は何処にもなかった。


見るからに真剣な表情をして、
ばっと席を立ち、

「ごめん。先帰って。」

と、なんとも冷たく空に答えると、

咲輝の方へ歩いて行ってしまった。



空はそんな駿の背中を「まって」と追いかける。


空は、駿の行動を観察することにしたのだ。



駿は、咲輝の横にいそいそと立つと、
「さっきは廊下でごめんな?」と謝った。

咲輝は駿に気づいて、フルフルと首を横に振る。

「そんなっ あれは私が悪いんです!!」

と、自分から謝った。

そして、二人は何かのテレビなどの話で
共感したらしく、楽しそうに笑い合っている。


空は、そんな二人の後ろで、

トボトボと帰っていた。



/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp