第2章 シンデレラ
それから二人で学校へ登校し、
また昨日のテレビの話で盛り上がっていた。
その時、担任の近藤が空達の前に立っていた。
「あ、せんせー。」
空がそう言った途端、駿が驚いて身を構える。
「おっす。そしてお前らに仕事を下す。
このプリントを印刷室でコピーしてきてくれ!」
そう言って近藤がゆっくり差し出したのは
今度学校で開かれる『夏の夜』という企画のプリント。
「あ、これあれでしょ?
夜に学校で花火とかお祭りやるっていう…」
「ん?そんなんあったの?俺忘れてたわぁ」
あはははと無邪気に笑い出す駿。
その前では近藤が呆れた笑顔で駿を見ていた。
「よし、じゃあ早速行ってこい。」
「え~めんどく」
「え~めんどく」
「行ってきたら特別に宿題なしに―――
「いかせて頂きます。」
「いかせて頂きます。」
二人は瞬時に近藤が持っていたプリントを
奪い、もの凄い早歩きで教室を出て行った。
「ほんっと仲いいなぁ~」
近藤は溜息をついてドアを見つめていた。