第4章 Run at full speed!!
食事を終えたあとガイアはみんなと別れて寮へ戻る途中だった。ケンタウロスは食事の後マールスと別れてユニとキューピッドと合流して寮へ戻って行った。アフロディティーはホーラの女神様のエウノミアーとエレーテと話しながらケンタウロス達のあとを追った。
そんなガイアが広間を出て廊下に出るとウンディーネと偶然会った。
「やだわ。会わないようにしていたのに。」
ガイアはがっかりして言った。
「それはこっちのセリフよ。みんなして何なのよ?ケンタウロスばっかり贔屓して。」
ウンディーネが叫んだ。
「私はガイアがケンタウロスと少年とレスリングの練習会場に向かうのを見ちゃったのよね。全部お見通しだし、知ってるんだからね。」
ウンディーネはガイアの首を掴んだ。
「いやだ、離してよ。」
「じゃあ、何でケンタウロスの練習に付き合ったのか言いなさいよ。それとあの少年は誰なの?」
必死に抵抗するガイアとそれを遮るかのように言い放つウンディーネ。そしてようやくウンディーネから離れたガイアはこう言った。
「何か悪い予感がしたのよ。だからあの食事の後にウンディーネ達が去って行ったのを見てケンタウロスに声をかけたのよ。一緒に練習をしない?ってね。それでレスリングの練習に軍神のマールスに付き合ってもらったのよ。」
「悪い予感ですって?どういう事なのか説明しなさいよ。」
ウンディーネが腕を組みガイアに聞いた。
「何か嫌な予感がしたのよね。そうしたらアフロディティーがエリゴスの様子が変だって教えてくれたの。今日の詩の大会の時にエリゴスってやけに声が高くなかった?」
ガイアは自分の首筋をさすりながら答えました。
「言われてみればそうね。声変わりじゃあなさそうよね。」
ウンディーネはクスリと笑った。
「それとケンタウロスから聞いたんだけど、”どんな手段を使っても勝ってみせる”ってエリゴスが言ったんですって。だから彼には気をつけた方がいいわよ。」
「その方が良さそうね。教えてくれたありがとう。それとさっきは首を掴んでしまってごめんなさい。少しやりすぎたわ。」
ウンディーネはそう言って歩いて行ってしまった。そんなウンディーネを後からガイアが追いかける。この時外は暗くなっており7時を過ぎていた。