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時と光と風の中で

第4章 Run at full speed!!


ケンタウロスとエリゴスが給水所まで近づいた時エリゴスが思わぬ行動に出たのだ。エリゴスはケンタウロスを突き飛ばして去って行ったのだ。そこにキューピッドと他の男子が駆けつけてケンタウロスを起こした。
「エリゴスってなんてひどいことをするのかしら?」
ガイアが去っていったエリゴスの方を見つめて言った。
「あら、自業自得じゃないの。」
そこに横で観戦していたウンディーネがくすりと笑った。
「何よ。ウンディーネはケンタウロスの友達でしょう?他に言うことはないの?」
ガイアはウンディーネの態度に呆れていた。
「あら、だってもう友達じゃないもの。」
「よくそんなことが言えるわね。」
ガイアとウンディーネが言い合っているといつの間にかケンタウロスはいなくなっていた。
「あら、ケンタウロスが行っちゃったじゃないの。」
ガイアはイライラしながら走って行った。
そのあとにウンディーネも続いて走って行った。
一方ケンタウロスは助けてくれたみんなにお礼を言った後、勢いよく駆け出して行った。丘を越えて商店街の中に入ってしばらくするとエリゴスの走っている姿が見えてきた。
「エリゴスなんかに負けてたまるもんか!」
ケンタウロスは遅れた分を埋めようと必至に走っていく。やがてエリゴスに追いつくとエリゴスにこう言った。
「さっきはよくも邪魔してくれたな。君はなんて卑怯な奴なんだ?」
「俺は勝つことに手段は選ばないのさ。君もやり返したいのならやり返せばいいさ。」
2人は走りながら火花を散らしていた。
そして2番目の給水所が見えてきた。
そんな2人が走っている姿を見てアフロディティーが首をかしげていた。
「エリゴスって今日はやけに声が高い気がするんだけど気のせいかな?」
詩の大会でエリゴスが詩を読み上げた時の声が不自然だと感じたのである。
「確かにそうね。」
アフロディティーの隣でガイアが頷いた。
「あのワルのことだから今回の大会はなんとしてでも勝ちたいはずよ。だって負けたら恥を捨てなきゃならないでしょう?」
2人は何か悪い予感が頭をよぎったのでケンタウロスのことがますます心配になってきた。
ケンタウロスとエリゴスが給水所に無事に着き、去っていったのを遠くで見ながら2人は顔を見合わせたままだった。



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