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時と光と風の中で

第2章 真実とは何か?


あれ?書がなくなってる?
ディオが叫んだのはしばらく経ってからだった。
「何だって?」
ケンタウロス達が耳を疑ったがそこにはあの書はなくなっていた。辺りを見回すとオリエンスがあの書を抱え走っていくのが見えた。
「くそ~待てよ。」
ディオが走ろうとしたが彼に追いつくはずはなかった。
そこでケンタウロスが自分に跨るようにディオに言った。
「ありがとう。」
ディオはケンタウロスにお礼を言って跨ると走り出した。
もう少しでオリエンスに追いつくところでケンタウロスとディオは悪魔達に囲まれてしまった。悪魔の中にはプギオと言う短剣やグラディウスという長い剣を持っている者もいた。ケンタウロスとディオは悪魔に囲まれ体が固まってしまった。すると一人の悪魔がケンタウロスの首に剣を構えてこう言った。
「お前達が死ねばあの書はこっちのもんだな。」
「どうしよう・・・僕達このまま死ぬのかな?」
ケンタウロスは額に汗を浮かべながら言った。
「そんなのやだよ。今までだってこうして冒険してきたじゃないか。」
2人はもうダメなのだと思い、目を瞑った。
と、その時だった。
「待ちなさい!」
どこからか声がしてケンタウロスとディオは目を開けた。
「ウンディーネ?」
そこには気絶したはずのウンディーネと彼女を抱えていたゴブリンの姿があった。
そしてウンディーネは勢いよく大量の水を吐いた。
「うわあああ~。」
ウンディーネの吐いた水はやがて川となり悪魔達を飲み込んだ。
「ウンディーネ!?気絶したんじゃあないのか?」
ディオが目を丸くして聞いた。
「ゴブリンが助けてくれたの。そんなことよりオリエンスを探しましょう。」
ウンディーネはケンタウロスに跨り、そのあとをゴブリンが追うようにオリエンスを追い求めた。
「あの書を持っているのがオリエンスと聞いたわ。彼はまだそんなに遠くへは行ってないはずよ。」
ウンディーネの言葉にみんなは頷いた。
そしてウンディーネが戻って来たことに気を良くした
ケンタウロスは勢いよく地面を蹴り駆けて行った。
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