第2章 守らせてよ @ 及川徹×α
高校に入学して初めての夏休み、久しぶりに定期検診で病院に行った。
またもや結果は不明。
自分でも薄々気がつき始めていた。
きっとわたしはΩなんだろうと。
発情期が来ていないだけだと。
検査が終わってソファに腰掛けていると、聞き覚えのある声がした。
「あっ!遙ちゃーん!」
帰りたい。
死にたい。
やだ。
笑顔で手を振って近づいてくる遙の嫌いな人。
「どうしたの?風邪?」
『いえ、定期検診です。』
「へー…大変だね?」
『あー…まあ。』
できるだけ会話をしたくない。
そんなことを考えていると、ふと体が熱を帯びてきた。
少しぼーっとする。