第9章 記憶の中に @ 岩泉一×β
『わたし、オッケーした。』
「なん…で…」
『言われたの、βのあの男の子にも迷惑かかってるんじゃない?って…』
「迷惑かかってるとか…んなわけないだろ、俺は…」
『わたしは一ちゃんのお荷物になってる気がしたの。だから…』
岩泉は状況を理解するのに必死だった。
さっきあの男に抱かれたと泣きながら言われた。
なのに何故その男と付き合うことになっているのか。
そのまま番になってしまうのだろうか。
そんなことは許しがたいことだった。
「やめろ…俺は迷惑なんてかかってないから…だから…」
戻ってこい、俺の側にいろ。
それが言えたらどんなに気が楽か。
所詮岩泉と遙はただの身体の関係でしかない。
遙の関係に口を出すことなんてできない。