第9章 記憶の中に @ 岩泉一×β
「は…抱かれた?」
食事に行ったという日の翌日、遙は泣きそうな顔で岩泉の元に来た。
「…そいつにか?」
『うん…発情期のフェロモン、気付かれてたみたい。』
「あんだけ薬飲めよって言っただろ?」
「飲んだんだよ…でも気持ち悪くなっちゃって、意識がなくて、でも起きたら裸で、知らないところで寝てて、隣にいたんだもん…」
ついには遙は泣きだして、下を向いた。
そんな遙を抱きしめて、頭を優しく撫でる。
首元に見覚えのない赤い斑点が見える。
岩泉の怒りはピークに達していた。
「で、どうすんだよその男。」
『…付き合わないかって言われた。』
「…は?」