第9章 記憶の中に @ 岩泉一×β
岩泉と遙は、身体だけの関係。
いわゆる、セフレというやつだ。
Ωである遙が発情期を乗り越えるために、付き合うわけでもなくずっと側にいてくれて、守ってくれた存在。
でも、そんな遙がαの男性に恋をした。
『でね、その人と今度ご飯行きませんかって言われちゃった!』
「そうか、それはよかったな!」
口ではそう言いながらも、密かに想いを寄せていた相手が他の男の話をするのは、なんとなく気に入らない。
「でも、発情期重なったらやばいんじゃないのか?」
『抑制剤飲んで行くから平気だと思う!』
「そうか…」
岩泉は複雑な気持ちを抱きながら、その場をあとにした。