第7章 お前を守るのは(後編) @ 国見英×β
「さっき何言いかけたの?」
ベッドの上で抱き締め合いながら、国見は遙の頭を優しく撫でる。
遙は国見の顔を見てニヤニヤしている。
『…英、ありがと。うれしい。』
「ちょっと、何言いかけたのはぐらかさないで。」
『んん…耳貸して恥ずかしい。』
そう言われるがままに、国見は少し背中を曲げた。
『…大好き。』
「…ちょっと、なんでまたその気にさせるの。」
国見の耳が真っ赤になる。
そんな様子を遙は笑って、国見の胸に顔を埋めた。
「…ばか、俺も好きだよ。」
『…幸せ。』
(今回ばかりは、及川さんに感謝しないとだなぁ…なんか癪だけど。)
そんなことを思いながら、自分の腕の中にいる遙を見て顔を綻ばせる国見であった。