第7章 お前を守るのは(後編) @ 国見英×β
『…っ…それは…』
「…正直に言ってよ。」
『…知ってるくせに。』
「知らない。言って。」
太ももを擦り合わせながら、遙は涙が溜まって赤くなった目で国見を見た。
『…英が…好き…。』
国見はその言葉を言い終わる前に、遙を力一杯抱きしめた。
『…英…。』
「…俺はβだけど、お前が好きだから、お前を守りたい。…ダメ?」
国見の胸に顔を埋めながら、遙は首を横に振った。
国見の細く長い指が、遙の唇に触れる。
そのまま顎を持ち上げられて、上を向かされる。
「…俺で、いい?」
『…うん…んっ…』
お互いの熱を確かめるように、口の中を貪るようにキスをする。
何度も角度を変えて。
遙も国見も、一緒になれることへの嬉しさだけを募らせていた。