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ワタシは、アナタは。▶︎ HQ×Ω

第6章 お前を守るのは(前編) @ 国見英×β





帰り道、遙がふと呟く。



『英…さっき、彼女って言ったよね…?』


「うん、撒くのに効くかなって思って。」


『…わたしは、ほんとに英が好きだよ。ほんとに英が恋人になってほしいって思ってる…だから…



「遙。」




国見の、いつもより低い、でもいつもより優しい、そんな声で、名前を呼ばれた。



「…お前、番まだなんだろ?俺はαじゃないから、遙とずっと一緒には居られないよ。」


『そうだけど…番なんて要らないから…英がいてくれたらそれで…。』



「番って、恋人以上に繋がりが深いんだろ。俺みたいなβよりさ、及川さんとか影山みたいなα見つけて、番になればいいじゃん。」



国見は何故か笑っていた。



遙は目に涙を帯びて、国見を見つめる。



『やだ…英がいないと嫌…。』


「…俺は、番が出来るまでは、ちゃんと遙のそばにいる。約束するから。」



"番が出来るまでは"



その言葉が、妙に遙の心に深く刺さった。



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