第6章 お前を守るのは(前編) @ 国見英×β
次の日、遙は学校を休んだ。
きっと昨日から薄々発情期が来ていたのだろう。
廊下で及川と目が合う。
「あっ国見ちゃ〜ん。今日機嫌悪かったりするの?」
「…なんでわかるんですか。」
「及川さんはなんでもお見通しだよ〜☆」
国見は無性にイライラしていた。
昨日遙にあんなことを言ったからだろうか。
でも、あんなことを言ってしまった矢先、顔を合わせづらい。
「…遙ちゃん?」
「…察しがいいですね。どうすればいいと思います?」
「どうすればいいってどういうことよ。」
「俺はβだから、及川さんみたいに番になってーなんてこと出来ないじゃないですか。」
国見は溜息をついて天井を見上げた。
そんな国見の横顔を指でつっつく及川。
「そんなの関係ないんじゃない〜?番とか関係ないでしょ?」
国見は考えていた。
どうしたら遙が幸せになれるのか。
その答えは、まだわからずにいた。