第6章 お前を守るのは(前編) @ 国見英×β
『…英…?』
「遙、どうしたの?誰そいつ。」
『助けて英…!』
男性は脂ぎった顔に嫌な汗を流す。
「…手を離してもらえますか?」
国見の鋭い視線が男性を睨みつける。
男性は開き直ったのか、荒々しく遙の腕を掴み直した。
「お前に関係ないだろ!?どうせお前βなんだろ!?大人しく大人の言うことには従えよ?な?」
「女子高生を道端で襲う大人がいい大人とは思えないんだけど?それにこいつ彼女なんで。」
普段はあまり感じないが、男性と並ぶと国見の背の高さがよくわかる。
呆気にとられた男性の腕を振りほどいて、国見と遙は近くの公園に逃げた。