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ワタシは、アナタは。▶︎ HQ×Ω

第6章 お前を守るのは(前編) @ 国見英×β





はぁっ…はぁっ…




ひたすらに走り続ける。



抑制剤は飲んだはずなのに。




どうしてあの人は遙の匂いを感じ取って。




ひたすらに追い掛けてくるのだろう。





あの人はαなのだろうか。




スーツを着た中年男性が、人気のない道に遙を追い込んだ。



きっと、襲われる。





逃げ場がない。




「…もう逃げられないな、お嬢ちゃん?」




そう言って遙の腕を掴む。




『…やめてっ…離して…!』


「えへへへ…お前Ωなんだな…残念だったな、Ωは性処理のために存在する人種なんだぜ…その身をもって実感しな!!」



「…何してるの、遙。」




毎日聞いているこの声。



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