第4章 背中をさする @ 赤葦京治×β
木兎には既に遙がΩであるということはバレているらしく、本人も手を出さないとは言っていたが。
心配性な赤葦は、大丈夫だよと言う遙がいつか木兎に襲われるのではないかと心配して、遙を木兎から遠ざけた。
「…大丈夫?しんどいね。」
赤葦はそう声を掛けながら隣に座って、遙の背中を優しくさする。
遙の咳はずっと止まらない。
『京治…ごめんね…。』
「何が?」
『喘息持ちで…Ω…って…最悪じゃない…?』
遙は喘息の発作が起こるたびにそういうことを言う。
「…何回も言わせないで。俺は遙が喘息持ちだろうがΩだろうが、遙しか好きじゃない。」
『そっか…ありがと。』
赤葦は静かに笑って、咳が落ち着いた遙の肩を抱いた。