第2章 守らせてよ @ 及川徹×α
この状況で何を言っているんだこの男は。
男女の番の関係は、一生寄り添う、プロポーズのようなものだ。
簡単にそんなことを言い出せるその口が腹立つ。
『なんでですか。わたしは及川さんに守られる必要ないじゃないですか。』
「他のαに捕まって強姦されたらどうするつもりなの?」
『だからってわたしは及川さんを信用しているわけじゃありません。』
強姦
その言葉に胸が痛んだ。
遙は、発情期の時にはαに襲われる可能性があること。
これも全部、自分のせいだ。
「俺が、一生寄り添うのはだめなの?」
『なんでそこまで喋ったことなくてただわたしがΩだってことを知ってるだけの人がわたしを守るとか言ってるんですか。わたし、言い寄られてホイホイついていく軽い女にでも見られてるんですか?』
「そうじゃないってば…あーもう!!!」
そう言って及川は遙の腕を強く引いて、強くその体を抱きしめた。