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[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]

第11章 草葉の陰


並ぶ人、全員が嫌々ながらただただ痛みに向かって進む、動物的でないシュールな列。を想像する。
自分と関係の無い、対岸の火事は見ていて楽では在るが、私はそれを嬉々として見る趣味はないのであまり共感はしない。
けれどまあ、見るか見ないかといわれれば…見るわな。多分。絶対。とりあえず見る。うん。


シロも柿助同様に何故か少し震えている。


「…対子供用リーサルウェポンとして使っておいてなんてお人……」


またこの鬼はそんなことを。
賽の河原で転生を待つ子供はストレスがたまっているのであろう、あまり言うことを聞かないので強硬手段に出ることもしばしばある。
それに注射器を持ち、脅して従わせたに違いない。
やるなあ。

ルリオはいつの間にか少し先に進んでおり、そこから我々を呼んだ。


「おーい!こっち来てみろ、面白れーのが多いぞ」


その声に鬼灯が顔をあげる。


「あ、そっちは外国ゾーンです。」

「あっ!」

ほんのり香しいような甘い香りが漂い、見慣れない草木が茂っている。
シロは優れた嗅覚で何かを見つけたようで、そちらへと駆けてゆく。
ルリオは鬼灯の肩に留まり、私と鬼灯はそちらへと追いかける様に歩き出した。


「柿助ー!バナナ!ほらバナナバナナーー!!」

「あのな~オマエ、猿=バナナって安易なこと考えてんだろ。俺、ニホンザルだぞ!室町時代の日本にバナナ自生してねーっての!」

「でも食べるじゃん」

「一番の好物じゃねーよ!日本猿は養殖より和食の方が落ち着くんだよ!」

「(日本猿にとっての洋食ってバナナなんだ。じゃあ和食ってなんだろう、どんぐりとか?)」


シロと柿助のやりとりを聞いて私は思案する。
猿って木の実とか食べてるよねなんて記憶を辿って想像すると、現在は地獄で亡者を喰らうのだからカロリー過多になってそうだなあなんて関係ない事まで考え始めてしまう。
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