[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第11章 草葉の陰
あれだけ長い時間、このよくわからぬ植物と関わってきたが、それでも愛着の薄い私にはどうも理解の及ばぬ生き物である。
「つーか、地獄の草花って現世で見たこと無いヤツばっかだよな」
「そうだよね、何種類くらいあるんだろ」
柿助とシロが他愛もなく話す。
「私も詳しい方ではないんですが、閻魔殿の近くに"地獄博物館"があって、その中に植物園がありますよ」
「えっ!? 行きたい!!」
シロがいち早く反応する。
犬だけあってこの素直な所がシロの魅力的な面であろう。
私は金魚草への不安感など瞬間に消え去り、彼らの一挙手一動にほんわかしてくる。
鬼灯も興味を持って貰ったことで、悪い気はしなかったようだ。
「じゃ、昼休みにでも行ってみますか。1時間ありますよね」
「うん!俺、亡者食うのが仕事だし、ランチはいいや」
「珀訪も行きますよね?」
「うん、面白そうだしついてくよお」
「行こう行こう」
わいわいと2人と3匹は午前中の仕事へと戻る。