• テキストサイズ

[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]

第9章 鉄を熱いうちに打つのは大人




「あの先生、トラップ全然ひっかかんないなー。つまら~ん」

「びっくりするところ、ちょっと見てみたいね」


烏頭と蓬が少し残念そうに話をしている。
先生はなんだかんだで殆ど怒った表情でいた。
特に、純度の高い馬鹿である烏頭はそれ以外の表情を見る機会には恵まれないのであろう。
蓬も真面目な良い子ではあるが、先生の気質により何をしたってたいした変化を見る機会には恵まれずに居た。

それは、鬼灯少年も同じである。


「じゃ、フェイントでもかけますか」


当日、先生は普段どおりの時間に教え処へとやってくる。
戸をあけようとするが、なにかがおかしい。
ほんの少し、戸が開いているのだ。

見上げるとそこには頭骨が挟まっていた。
「(おそらく、これは俺の頭にこの頭骨が落ちる。と、いう単純な悪戯だろう)」
そう、考え馬鹿らしい気持ちになる。



― ガラガラガラ  パシッ



「お前らな~… イタズラするにしても、もうちょっと考えて…」



― ガシャ…シャンッ!!!



ほんの鼻先を掠めて首切り鎌が上から下へと落ちる。



「…!?」

「おしいな~」

「お、お前ら外に並べェえええええ!!!! なんだこれは!俺を殺す気か!! その労力を学業に使え!学業にーーッッ!!!!!!!」


大目玉であった。



「確かに一丸となって殺り遂げようとはしてました」


鬼蓮は言葉が浮かばず、冷や汗をただただ流すばかりであった。


「(そこまで変わった子、私なら教師として受け止めきれるだろうか…)」

「よく考えると私、先日も同じ事を大王にしてました」

「ぶわっはっは!あれは傑作だったねえ『君達ねえ!』とかって腰抜かしながら怒ってて可愛かったなあ!」

「可愛いはちょっとわかんないですね」

「(そういえばこの夫婦、閻魔大王の補佐官なんだよな…)」


私は悪戯はかなり好きな方だが、自分でやる悪戯は他愛もなさ過ぎてみんなのリアクションが薄く、普段はあまりしない。
だが鬼灯の悪戯はとてもウィットにとんだ冗談で、少し過激で、みんなの反応も上々で私好みなのだ。
ただ、そんな事を口にすると「珀訪さんも変わってますよね…」と、不安そうに私を見る周囲が居るので、生来の感覚を修正せねばと思うことが多い。
/ 99ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp