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[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]

第9章 鉄を熱いうちに打つのは大人



幼き鬼灯は授業そっちのけで束になった紙をパラパラとめくっていた。
スーッ…と近づく般若面がこちらへと近づいてくる、恐ろしいパラパラ漫画。

それを見つけた先生は全力で鬼灯の頭を掴み、机へと叩きつけ叱る。
教室に張り倒される音が響いた。


― ビタンッ


「何でよりによって般若が段々 近付いてくるパラパラ漫画 描いてんだお前は!!!!」

キッと先生を睨み付け後ろを向いてしゃがんだかと思えば、地面に両の手をつけて猫の糞隠しよろしく。
足を先生に向かって連続で蹴り上げた。


「先生の嫁を考えてあげたんです!」

「俺の嫁かい!! こんなストロークの長い近付き方する女は嫌だ!!」


騒いでいると、突如、般若面を被った女が教え処の戸をスッと開いて入ってくる。
女はスーッと先生と子供達の方へと般若の女は無言で歩み寄る。
瞬間、教室内は水を打ったように静かになる。


「「!?」」


「ばぁっ」


面を取ると珀訪だった。
当時は昼頃になると皆に握り飯などを差し入れに行っていたのだが、丁度やりとりをする話が聞こえたので、全力疾走。
急ぎで近くの家から般若面を拝借し、このドッキリを慣行してやった。


「そういう冗談、本当にやめてくれませんかね」

「ありがとうございます」

「珀訪さんだー!」

「わーっ!」

「ありがとう~」

「いただきまーす!」

「えへっへっへっ、皆~、いっぱい食べてねえ」


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