[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第3章 記憶の酒瓶転がし候:第一期
私が夢小説に初めて触れたのは学生時代の頃だったと記憶している。
浮気した男が携帯電話を“逆パカ”されただの、畳めない携帯はもう古いだのと言っていた頃であっただろうか。
私は最新の畳める携帯でネットサーフィンにのめり込んでおり、その夜も大好きな漫画の二次創作作品を見て回っていた。
ランキングやサーチを巡って行くうちに知らないアニメタイトルやキャラクターばかりを取り扱う、所謂マイナーなサイトに辿り着いた。
そこにあった“鬼灯の冷徹”と言うタイトルに惹かれ、読み始めると素人とは思えぬ文法に私はすっかり虜になった。
次の日、鬼灯の冷徹という作品を探し回ったが他にはないし原作と思えるものも見つからなかった。
昨夜、夜更しをしてそのサイトの全作品を閲覧してしまった…と思ったが、早くも新着更新の欄にマークが輝いていた。
夢小説とは自分の名前を入力すると、その名前をキャラクターが呼んでくれる。
まるでその世界に入り込んだような感覚が気持ちの良いジャンルである。
なるほど。
新着更新された小説の説明にはそう書かれており、興味本位で入力した。
ほんの数日でハマってしまった私は、その新しい遊びにさらに沈み込むかのようにハマっていった。
それから鬼灯と言うキャラクターとの恋愛事情が仮想ではあるが深まり、進展を続けてゆき、ついにここまで来たのである。
(鬼灯)
「もう決して貴女を離すつもりはありません、私と結婚してください。」
(あなた)
「はい」←
「いいえ」
私は「はい」のリンク ← を選択した