[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第9章 鉄を熱いうちに打つのは大人
「不躾な質問ですけど、マキさん勉強できました?」
「ちょ!?」
「アッハッハハハ!いいんですよ」
鬼蓮は想定内なのか、大笑いして答えてくれた。
「まァ、ちょっとボ~っとした子でしたねえ!でも音楽が得意でしたよ」
「…(やっぱり)」と、言うような顔をする鬼灯。
まさにマキちゃんである。
彼女は小さい頃から変わっていないのであろう。
「ミキさんは…」
「あの子は優秀でした!ニャ~ンって言ってますけど、あの子は野干でしてね。大人しくて真面目な子でしたよ」
「わかります」
それを聞いてふと思い出した。
「そういえば、先日のクイズ番組で…」
”「さあ、初参戦はアイドルユニット”まきみき”のお二人~!!」
バラエティにありがちなテンションの高い男性司会者の紹介で始まったクイズ番組。
「では、問題です! Q:河童Aは5分間に45Km走ります。では、この河童Aが600Mは知るには何秒かかるでしょう?」
「何!? 何何!?? もっかい言って!」
マキは既に混乱している
隣では黙々となにやらメモに書き込むミキ。
― パンポーン
「ミキちゃん!? 私わかんないよ、大丈夫!?」
「4秒だニャ~ン」
「正解!!」
徐にメモを取り出すミキ。
「45m=4,5000mを5分で割って9000m。それを60秒で割ると秒速150mとわかるニャ~ン。600÷150=4なので答えは4秒だニャ~ン」
「ていうかこの河童すげっ!!」
「ミキちゃんがすげぇ―――ッ!!!!!」”
「って”普通に勉強できるアイドル”として驚かれてたよねえ」
「人格は破綻してるけどすごいって言われてましたね」
「その計算できてくれないと教育者的にはガックリ……ていうか問題文の時点からその河童の速度がおかしい。…まァ、かといって、成績よけりゃいいってもんでもないですけどね」
「そりゃそうですねえ」
私は苦笑いを零す。
計算式なんて私が生きる為には不要なので正直よくわからないし、とにかくわかるのは河童早すぎだろ!と言うことだけ。
使わない問題式など、どんどん忘れていくのが私の特技である。
「成績がよくて大人しい子ほど、家庭に問題がある場合もありますからね」
「そうですそうです」
「難しいですねえ」