[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第9章 鉄を熱いうちに打つのは大人
「へえ~。今、現世の子供達の将来なりたい職業1位は公務員なんだって。皆、現実的なんだねえ」
「そう?」
閻魔大王は地獄で発刊されている新聞の、現世情報覧を読んでシロに話しかける。
「俺が現世に居た頃は、皆『庄屋はいいなあ』って言ってたよ。庄屋って要は地方公務員でしょ?」
「…そうだけど…、ニュアンスが今と違うと思うよ…。まあ、鬼の子に人気なのも”獄卒”なんだ。これは安定と憧れもあるけど」
鬼に生まれれば亡者を呵責してこそであろう。
そのイメージとして典型的な獄卒と言う職は、鬼の子供達に「仕事内容はよくわからないけど、なんか”鬼”って感じでカッコイイ!」と、戦隊ヒーローか何かのような憧れを持たれているようだ。
ふと、シロは疑問に思う。
「鬼の子っているんだ?」
シロは鬼の子供を見たことがないので、詳しくは知らないのだ。
「居るよ。ちゃんと学校に通ってるよ」
「学校もあるんだ~」
一方、地獄にある”獄立焦熱小学校”では講演会へ招かれ、鬼灯と私が夫婦揃って子供達にお話をする事になっていた。
私は別に行かなくても良かったのだが「長寿である貴女の深い熟考、知識、経験を子供達に」と言われ、たいした存在ではないものの、鬼灯にも推されて同行を決めた。
本日は夫婦として招待されているので、鬼灯に合わせた衣服をチョイスしてみました。
黒のグラデーションが下から上に薄くなり、黒い部分には大輪の彼岸花が咲き乱れるお着物を着、帯はあえてシンプルな1本、斜めラインの入ったものを。
羽織り物はいつも通りに。
髪飾りはもちろん、鬼灯の髪飾りを着けてきた。