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[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]

第8章 恐怖屋敷


「しかし鬼灯様、何でまたオバケ屋敷なんて入ったの?」

「これです」


袂に仕舞っていたパンフレットを出す。


「閻魔殿近くの広間で"現世フェスティバル"というのをやるんですよ」

「インドフェスとか現地のものを集めた野外フェス的なヤツだよ、あれ、楽しいよねえ」


鬼灯の説明に混じり、私自身もワクワクしてくる。


「そこで現世や人間をモチーフにしたパビリオンというか…企画ハウスを作る予定でして」

「お2人、いろんな企画に参加してますね~」

「顔が広いんだな~」


「それで、現世のアトラクションを参考にできないかと」

「面白そうっ」


茄子はこういうイベントごとに飛びついてくれるのでとても好きだ。
私もこういうのが結構好き。


「…でもオバケ屋敷じゃ俺らには怖くねーよな」

「ん~…」


確かにそうだ。
ここじゃあ現世で言う怖いものが日常的に周囲にあり、私も仕事上それらを扱う事だってある。
亡者の腸の1つや2つ、裂けなくちゃここでは働けない。


「アレの本分はつまり"恐怖屋敷"よね」

「びっくりハウスか」

「びっくりハウスというとなんか違うけどね」

「まあ要はゾッとする館ですね」

「人間の怖いものって俺ら怖くないしな~」


腕を組み、真面目に想像し悩む唐瓜を見ると笑みが零れるほどいい子だなあと感じる。


「あっ、じゃあさ~"現世の怖いシーンを集めた屋敷"は?」
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