[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第8章 恐怖屋敷
「へえ~、今時の現世にしては珍しいタイプのオバケ屋敷なのねェ」
「そうなの?」
「最近は特に オ バ ケ 屋敷だけど、実際は幽霊系の"呪われた○○"とか多くない?」
「霊の方が怖いんだ?何でだろ、同じ人間なのに」
「うごっ」
居眠りする大王の前で、仕事中の鬼灯、お香、唐瓜、茄子、私は視察の話をしていた。
閻魔大王が鼾をかいて眠るので、鬼灯は手元にあった適当な巻物を頭に放り投げていた。
「…そうねえ…、まず"暗い・ジメジメ・急に脅かされる"の3点が怖くて…、でもそれは"妖怪"でも同じか…」
「プラス"恨み・呪い・死"を彷彿とさせるので霊の方が怖いのでしょう」
「そういうもんですか?」
「"急に脅かす"は俺達でもびっくりするけど」
「…」
「…」
「びっくりしなかったみたいよ、どうやら」
「鬼灯様はともかく、珀訪さんもそういうの強いんですか?」
「私はびっくりとか苦手かなあ、すぐ驚いちゃう方だと思うけど」
「ワッ!!」
「「「!!?」」」
突然、鬼灯が大きな声を出したので、私を除く3人は驚いたようだ。
びっくりして身を引いた。
突然すぎて何がしたいのか良くわからなかったが、すぐに察した私は偉いと思う。
ここは全力で驚くべきところ!
「わあ、びっくりしたなあ、ふふっ」
両の手を上げて驚いたフリをした。
なんだか楽しい。
「これは絶対ないな」
「うん」
「そ、そうね」
鬼灯は無言で私を撫でてくれる。
何か間違えたか、これは失敗。
若干不服ではあるが、仕方が無い。