[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第8章 恐怖屋敷
通路を道なりに進むと、鉄板の釜だとか頭骨だとか蝋燭なんかが飾られており、2人して「まあよくあるやつ」と言う目で見ながら進んだ。
その釜から突然出てきた手には少し驚いたが、鬼灯が立ち止まり、その手にチョキを出してジャンケン勝負に勝利した。
意味がわからんが鬼灯のやつ、楽しそうでなにより。
先を進もう。
途中、橋に差し掛かると亡者の衣装を着たスタッフが「ワー」と驚かしにくる。
「はいはい」
「思ったより綺麗な死に装束ね」
「…」
そりゃこれ程までに脅かしがいのない客はいないだろう。
スタッフは決まった一定の範囲内はなんとか脅かす為に私たちの周囲をウロついて付きまとったが、最後には声も幽かになり、可哀想なほどだった。
橋の袂を覗き込むと、血の池だろうか?
「これは木転処(もくてんしょ)ですね」
「悔い改めよ!!!」
「ほら、摩竭受大魚(まかつたいぎょ)までいる。」
「すごいねえ」
私達は騒ぐ鬼を無視して話していたが、鬼灯は突如として鬼に振り返り
「ただ、あの川は血ではなく、マグマに近いものですがね。あ、八寒地獄まである」
「やったぜ」
2人としてはかなり興奮する拘り方に興奮した。
が、そんな私達を後から見送るスタッフの方々は
「…」
「…あのカップル、全然ビビらないな……」
「男の方のTシャツ、どこで売ってんだろ…」
と、ざわついていた。