[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第4章 嫁の理/鬼の業:第二期
「珀訪ちゃん、よくここがわかったね~。どうしたの?大丈夫?あいつになんか言われた?」
軟派な態度で店から現れるなり私の肩を抱いた。
「忙しかったらごめんよ、すぐに話をしたい気分でさ」
「うん、わかった。じゃあいこっか~」
「…いいの?」
「いいよ~、もう遊びは終わり!今から僕は珀訪ちゃん専用だよお~」
「ありがとう」
「え、素直過ぎじゃない?マジで大丈夫なの?」
心配されつつ、私達は桃源郷にある白澤の店まで連れ立った。
店では桃太郎が店番をしており、白澤の部屋へと行こうとすると
「ちょ、鬼灯様に殺されますよ!」
「大丈夫、大丈夫。ちょっとお喋りするだけだから」
「…珀訪さん、なんかされそうだったら大声だしてくださいね?」
「わかった、ありがとう。桃太郎くん、悪いね、ちょっとこの人を借りるね」
ここまで移動する間にベッコベコに凹んでいた私は考えるだけの気力をほぼ失っていた。
疑いの視線を白澤に、心配そうな視線を私へと桃太郎に向けられつつ私は案内されるがままに部屋へと入った。
「さあ、ここに座ってリラックスしなよ」
「ん」
私をベッドへと座らせ、自分は床へと座った。
彼は私の正面にしゃがみ、私の両の手を彼の両の手で握る。
そのぬくもりに幾分か心の中のなにかが解け、人心地ついたようになる。